ハインライン『太陽系帝国の危機』(東京創元社、1964)
多種族からなる宇宙規模の帝国を舞台にしたSF。不快な香りの火星人と奇妙な風習、大時代な儀式を強いられる皇帝と大臣たち。スペースオペラの舞台がフルセットで揃っています。
売れない役者の主人公ロレンゾはある事件をきっかけに、自分とは主義の異なる政治家ボンホートの代役を務めることに。しかし役者の天性がロレンゾをなりきらせ、やがてボンホートの側近たちに意見するまでに。本物以上に本物になっていくロレンゾのなりきり演説。
【本文より】
◯賛否を明らかにせよ。常に賛否を明らかにせよ。諸君は、ときには間違っているだろう。ーしかし、賛否を明らかにしないものは、常に間違っている。われわれは、選択をおそれる卑怯者になってはいけない。
◯それはちがう。けがらわしいゲームというものは存在しない。ただ、誰にしたって、ときには、けがらわしい競技者とぶつかることがあるだけだ。
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