藤沢数希『ぼくは愛を証明しようと思う』(幻冬社、2015)

トレーダーで「恋愛工学」の創始者でもある著者がその理論を小説仕立てにまとめたもの。元々は有料メルマガでの連載でしたが、一般公開されました。

進化心理学に基づくオス・メスの行動原理からあるべき行動をあぶり出しており、ゲームのルールについて著者らしい身も蓋もない回答を出しております。この偽悪的な態度のため合う合わないが激しいところですが、原理は原理として尊重すべきものと思います。ゲームのルールに目をつぶって理想を語っても、生物のありようとして、進化心理学の縛りからは逃れられません。

お話はモテのファンドマネージャー永沢さんが非モテの弁理士わたなべを導いていくお話。ポイントをほめつつ容赦なくダメ出しをしていく永沢さんの師匠ぶりが愉快。


【本文より】

◯「そんなことはない。恋愛も、勉強や仕事といっしょだ。効率よくやるべきものなんだ。最小限の努力で最大限の成果を得る。生産性が大切だってことだよ。恋愛なんてただの確率のゲームにすぎないんだから、正しい方法論があるんだ」

◯「それで、お前は何かを失ったか?」
「ディナー代は失いましたが…」僕はすこし考えてから言った。「それ以外は、まったく何も失っていません」
「そうだ。お前は何も失っていない。ナンパはフリーランチなんだよ」

◯「傷つける?」永沢さんはふっと冷たい笑いを浮かべた。「お前、調子に乗るなよ。お前が女を傷つけるだって?お前に女を傷つけるなんてことなんてできない。たとえ、傷つけようとしたってな」

◯「若い女っていうだけで、これまでにたくさんの男からアプローチされているはずだ。だから、お前みたいな並の若い男と、その辺の若い女を比べると、女のほうが圧倒的に恋愛経験が多く、あざとい。いまのお前がどれだけがんばったとしても、彼女たちを傷つけることなんてできないさ。大人と子供がケンカするようなものなんだ」

◯非モテとのセックスは、メスにとって遺伝的な壊滅を意味する。繁殖能力の高いオスの子供なら、子供の繁殖能力も高くなる確率が高い。そうしたモテる子供を通して、メスは自分の遺伝子のコピーを増やすことができる。そして、オスの繁殖能力の一番の証明は、実際に他のメスと交尾できている、という実績に他ならないのだ。

◯詩織さんがダメでも、僕には真由美も、由佳も、斉藤美和もいた。これだけのバックアップがあれば、ひとり失敗するくらい大したことではない。同時に複数の女に次々にアプローチしていくスタティカル・アービトラージ戦略は、おそらくは確率的な優位さ以上のものがあるのだろう。こうして次の女がいると思えば、目の前の女に嫌われることを恐れ、萎縮してしまうことを多少なりとも避けることができる。
スポンサーサイト
プロフィール

望月もちお

Author:望月もちお
モチ好きな祖父に名付けられた本名です。

手ぶら通勤おじさん

SFと古典
ポケモン&ガンプラ


2017.10 ガンプラに目覚める。ミニマリスト廃業。
2017.5  ミニマリストに目覚める。
2004〜プリストンテールやってました。2009がピーク。

ガンプラ・ゲーム垢 https://twitter.com/moccinag
まじめ垢 https://twitter.com/mocciom
本棚 http://booklog.jp/users/mocciom

もちお家TW
Twitterより
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
FC2カウンター
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード