アーシュラ・K・ル=グウィン『なつかしく謎めいて』(河出書房新社、2005)

アーシュラ・K・ル=グウィン『なつかしく謎めいて』(河出書房新社、2005)

ル=グウィンらしいフワフワした読後感、ファンタジー要素入りSF

空港での乗り換えの待ち時間に退屈した主人公シータは、退屈な時間と悪質な食べ物に当てられて気を失い、目覚めると異次元へ。
再現条件を特定し、「シータ・ドゥリープ式次元間移動法」を確立。
(科学的根拠の理屈付けはなく、あくまでファンタジー要素)

以下、シータと友人たちが見聞きした異次元の旅行記となっている。

不死の人の国、眠らない人の島、翼がある人の国などなど。ガリバー旅行記を彷彿させる希望と悪趣味の世界。

両親が学者で、文化人類学のサラブレッドと称される人文系ソフトSF作家、
著者の皮肉もにじみます。

【本文より】

◯空港の本屋に本はない。あるのはベストセラーだけだ。

◯私はマハグルに滞在するときには、帝国図書館で大半の時間を過ごす。よその次元にきて(あるいはどこの場所ででも)図書館で過ごすなんて、退屈きわまりないと思う人も多いだろう。しかし私は、ボルヘス同様、天国とは図書館によく似た場所だろうと思う。

◯オーリチ思想家たちの言うことにも一理あるかもしれない。確かに、意識には高いコストがかかる。意識の代価は、私たちの人生の三分の一。目が見えず、耳が聞こえず、口が聞けず、無力で思考力のない状態 ー つまり、眠って過ごす時間だ。


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