ジョージ・アレック・エフィンジャー『重力が衰えるとき』(早川書房、1989)

ジョージ・アレック・エフィンジャー『重力が衰えるとき』(早川書房、1989)

SFの道具立てに満ちた近未来サスペンス
スマホのようなものを持ち歩き、外科手術で脳にソケット差込口を設置した人々は人格もスキルも自由に入れ替えができ、舞台となるスラムであっても非合法人格モジュールは簡単に手に入る。

アラブの犯罪都市ブーダイーン、分裂したアメリカ、ロシア。
「一匹狼」を自称する主人公マリードはロシア人富豪から人探しの依頼を受けるが、交渉の席上で依頼者は殺されてしまい、、
真相に迫ろうともがくうち、マリードは町の有力者「パパ」のために働くはめに。

イスラム文化の描写、マリードの破戒スタイルが興味深く読ませます。

【本文より】
◯「わるいがね、わたしはアルコールを摂らない」
「ご心配なく」おれはキリガに向き直った。「この人にもおなじものを」自分のグラスをさしあげた。
「しかし ー」ボガティレフが抗議しかける。
「だいじょうぶ、おごりですよ。おれが金を払う。当然だ ー おれが飲むんだから」

◯ヤースミーンは、外から中まで、肉体も精神もすっかり修正されている。彼女の肉体は、例の完璧なカタログ注文の製品だ。クリニックの係員に相談にいくと、むこうがカタログを見せる。こっちが、「このおっぱいは?」ときくと、むこうが値段をいい、「このウエストは?」と聞くと、骨盤を割ってはめなおす費用の概算を答えてくれる。

◯このブーダイーンでは ー いや、おそらく全世界どこへいってもそうだろうが ー 人間は二種類しかいない。ぺてん師とカモだ。だますか、だまされるかだ。上品ぶってニコニコ笑い、わたしはサイドラインで見物します、というわけにはいかない。

◯クスリはきみの友人だ。敬意をもって扱え。きみは自分の友人を屑かごに捨てたりするか。トイレへ流したりするか。友人やクスリをそんなふうに扱うやつは、どちらも持つ資格がない。


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