鏡島元隆『道元禅師語録』(講談社学術文庫、1990)

鏡島元隆『道元禅師語録』(講談社学術文庫、1990)

著者は駒大仏教学科から同大教授、総長を経て曹洞宗立宗学研究所所長となった筋金入りの学僧です。

著名な『正法眼蔵』と対をなす『永平広録』、そのうち道元禅師の語録を取り上げて注釈を付したもの。禅師のスピーチを秘書がまとめたものが今に伝わっております。

理論派で浄土宗系とはかなり雰囲気が異なる曹洞宗ですが、執着を嫌う姿勢は仏教共通のものです。

迷い、執着からの離脱。いかにも宗教の本質に思えますが、アイエンガー『選択の科学』(文芸春秋、2011)など最近の脳科学研究で決断数の上限の理論が明らかになったりと、生物としてのヒトの本質に由来する問いのようにも思われます。

【本文より】

○上堂して言われた。仏法とは、身や心についての執われがすっぽりなくなることだ。対境がすべて執着の相手でなくなることだ。ここにいたれば、悟りもないが、どこにも迷いのつけようもない。

○もし永平(わたし)ならばそうは言わぬ。仏法においていちばん究極の問題は何でしょう、と問うものがあれば、ただそのものに答えて言おう。それは、早朝には粥を食べ、昼には飯を食べ、体がすこやかであれば経行し疲れれば眠ることだ。

○巌頭のいう小魚、大魚を呑むとは、和尚が儒書を読むことだ。仏教とか儒教の対立を超えることだ。さらに、仏教とか外道の対立を超えて、仏教に対する執われもなくしてしまうことだ。
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

望月もちお

Author:望月もちお
インドア派です。
本棚 http://booklog.jp/users/mocciom

もちお家TW
Twitterより
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
FC2カウンター
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード