finalvent『考える生き方』

finalvent『考える生き方』を読む。

55歳のアルファブロガーさんが「人生の失敗者」としての半生を語ったもの。

一浪してICU、そのまま大学院に進むもどうしても論文が書けずに中退。英文翻訳などをしながらフリーター的な生活を続けるも会社生活に合わず、大学院に戻ったり、フリーランスになったり。

聖書学から言語学、神経学、医学、歴史学。広がり続ける知的好奇心と内省的なスタイルはまさに知識人そのもの。自己に対する「失敗者」の感覚すらも知識人の自省と思われます。

やがて30代後半になった著者は自分より10歳若い娘さんと夫婦に。奥さんの出身地である沖縄に移住し、四人の子供を育て上げます。

人生を流れに任せながらも、自省の目を持ち続けた在野の老学者の香りがします。55歳の自己をして「昔なら定年の歳」としているのもよい枯れ方。

【本文より】
◯大学時代、そして大学院時代、毎日毎日、来る日も来る日も宿題があった。リーディング・アサインメントといって、読まなければならない書籍や資料が山ほどあった。それが大学院を辞めて働くようになったら、もうしなくてもいいのである。/なんなんだろう、この知的な空虚感は?

◯思い返すと、私は、ICUの図書館に6年間住んでいたような気がする。夏も冬もじっとキャレルから芝生を見ていた映像が浮かぶ。フランス文学者・渡辺一夫の全集を全部読んでいた日々もあった。太宰治が自殺したころの新聞を取り出して読みふけっていたこともあった。いつもキャレルに座っていた。

◯私の場合、言語学と医学との隣接に関心をもっていた。最終的には人間の精神と脳の関係に関心をもっていた。学部時代は、聴覚障害者など言語機能に障害のある人の言語の表出を扱い、大学院では、それを具体的に脳と結びつけようとした。ある程度、神経病理と言語の関係に法則性が見えたら、その先は、いずれ医学に転向したいと思うようになっていた。
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

望月もちお

Author:望月もちお
インドア派です。
本棚 http://booklog.jp/users/mocciom

もちお家TW
Twitterより
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
FC2カウンター
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード