立松和平『法隆寺の智慧 永平寺の心』(新潮社、2003)

立松和平『法隆寺の智慧 永平寺の心』(新潮社、2003)

早稲田政経卒の小説家である著者は仏教小説を書こうと法隆寺、永平寺に取材したところ、ビジター向けの短期修行を勧められる。学生時代にダンマパダ片手にインド放浪したこともあり、仏教のありように浸透していく著者。のちに小説『道元禅師』『良寛』を書いています。

前半が法隆寺での一週間の体験修行、後半が永平寺でのお泊まり修行体験。修行を通じて自らの内面を振り返る著者の心のはたらきが描かれます。

【引用】

◯この世の成り立ちについて苦しんでいる人にとって、般若心経ほど効用のある良薬はないであろう。あなたの苦しみは、そもそも存在しないと説いているのである。

◯火種である因がそもそも存在し、その火を燃え上がらせるために縁としての薪を放り込むから、あんなにも苦しみの炎が立ち騒ぐ。そうしないためには、薪を放り込まなければよい。その薪とは、欲であったり、執着であったりする。この構造がわかりさえすれば、縁をしずめる方法はあるのだし、因も消滅させることができる。ここで苦しみは消えるのだ。

◯すべては空なのだから、苦しみも空である。心に痛みを与える苦しみは、自分の心がつくり出したにすぎない。その心の働きはどうすればよいかと、般若心経はそれぞれの人に道を示してくれるのである。

◯布施とは、貪らないことである。貪らないとは、世にいうへつらわないことである。貪りの心があれば、他を意識して自己に執着する気持ちがおこる。惜しがらない、欲しがらないということが布施である。これをしたから必ず見返りを求めるというのは、布施ではない。
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