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瀬木比呂志『絶望の裁判所』(講談社現代新書、2014)

東大法学部から裁判官となったエリート司法官僚の内部告発。組織のありように疑問を感じた著者は15年に渡る苦悩の末に退官、大学教授へと転身します。

その官歴は東京地裁を皮切りに、大阪地裁、沖縄地裁、最高裁判事と紆余曲折を経ながらもトップ層に登っています。

裁判所には厳密なヒエラルキーがあるとのことで、事務総局の意に逆らって地方めぐりをさせられたり、「もう関東には戻れないよ」と事実上の退職勧告を受けることが裁判官にとっての最大の恐怖であるようです。

・最高裁長官、判事(14名)
・高等裁判所長官(8名、地域で序列あり)
・地裁所長(東京、大阪)>家裁所長(東京、大阪)=東京高裁裁判長>大阪高裁裁判長
・地裁所長(その他)>家裁所長(その他)、高裁裁判長
・高裁支部長、地家裁大支部の支部長
・地家裁裁判長、高裁の右陪席
・高裁の左陪席、地裁の右陪席
・地家裁の左陪席


著者は途中ドロップアウト組ではなく、トップ層である最高裁判事にまで登っています。それだけに法曹関係者ならわかるでしょ?とばかりにニヤリとする皮肉もちりばめられていますが、それが分からない我ら下々の民にしてもゴシップ的な興味を満たされます。

裁判官とはいえ結局は最高裁判所事務総局をトップとする官僚組織であり、地方巡業の裁判官(裁判官になれている時点で彼は同世代のトップエリートです)も「次こそは関東に帰る」という希望を胸に日々を過ごしているのだとか。

地方で就職した私にはわかりませんが、全国転勤ありの会社には共通の悩みであり、この構造が上ばかり気にする社員を生み出すのでしょう。


【本文より】

○良識派は上にはいけないというのは官僚組織、あるいは組織一般の常かもしれない。しかし、企業であれば、上層部があまりに腐敗すれば業績に響くから、一定の自浄作用がはたらく。ところが、官僚組織にはこの自浄作用が期待できず、劣化、腐敗はとどまるところを知らないということになりやすい。(p.50)

○私の知る限り、やはり、良識派はほとんどが地家裁所長、高裁裁判長止まりであり、高裁長官になる人はごくわずか、絶対に事務総長にはならない(最高裁判所事務総局のトップであるこのポストは、最高裁長官の言うことなら何でも聴く、その靴の裏までも舐めるといった骨の髄からの司法官僚、役人でなければ、到底務まらない)し、最高裁判事になる人は稀有、ということで間違いがないと思う。(p.54)
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