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渡辺一雄『退社願』(徳間文庫、1984)

著者が百貨店を辞めて専業作家になるに至った経緯を描いたもの。高度成長期の組織における権謀術数、謀略うずまく男の戦場が描き出されています。

若手係長の著者は労務担当常務のお声掛りで組合左派の切り崩し工作へ邁進。みごと目的を達成し、御用組合へと作り変え、仲間たちと旨い汁を吸うことなるが…

のちの悪漢小説につながる人間不信、勧善懲悪を描かぬ著者の姿勢につながる人生観の形成過程すら窺えます。


【本文より】

◯大丸は過去に重大なミスを犯した。(中略)ミスというよりも罪悪とよぶにふさわしいものであった。私はその非を認めよと会社にせまり会社は非を認めるかわりに私を干しあげた。その経緯を記したのがこの〈手記〉である。

◯「君はもう売場にいる必要はない。売場は物を売ることしか能のない奴にまかせて、これからは、君はもっと大きな仕事に専念してくれたまえ」

◯U井にはもうすこし深謀遠慮があった。左派が難攻不落であってこそ右派の価値があった。左派を一挙に葬ることは右派の値打ちを下げることであった。会社の金で美酒に酔い痴れるためには、左派がある程度の勢力を保っていなければならなかったのである。そんな思惑は、S田も私も知らない。

◯私はサラリーマン社会における立身出世を肯定している。いや、否定・肯定の問題ではなく、立身出世願望はサラリーマンの属性で、立身出世を願わないサラリーマンはむしろ不健全だと思っている。
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