関千枝子『図書館の誕生』(日本図書館協会、1986)

図書館史上に名高い日野市立図書館の実像と思想を丹念に追ったもの。
著者はジャーナリストの傍ら各地の図書館運動に携わったパワフルおばさんです。

図書館協会事務局長から日野市の図書館立ち上げ委員を経て市長になった有山、その庇護下で革新的な取組を進めた前川、また各地の図書館からリクルートされた熱い(往々にして迷惑な)好漢たちの物語。


【本文より】

◯日野の図書館がたった一台の移動図書館車ではじまったことは、今も神話のように語り継がれている。これは積極的、精神的面で、ヘタに”建物”を作ってしまうと、図書館はある、小さな市なのだ、一つあれば十分だ、になり、今までの図書館と同じになってしまうという前川の信念からだった。

◯”調査活動”の真剣さも、従来の調査の常識とまるきり違うものだった。九州のある市で―。昼の調査活動の終わったあと、宴席が設けられた。市の助役、教育長ら幹部が出席している。地方の幹部にしてみれば、中央の調査団など、そこそこに調査を終えると、一ぱい飲み、地方特産の名物料理でも食べ、旅情を楽しんで帰るもの、という常識しかない。ところがこの調査団の委員たちは、酒ものまず、そそくさと食事だけをし、一時間ほどで席を立ってしまったのだ。市の幹部たちは唖然としていた。引き上げた調査団は協力の現地の委員たちと調査結果の報告、分析、討議を深夜二時すぎまでやった。
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